綿矢りさ氏らが編集委員の「中国現代文学ギャラリー」全5巻が刊行開始 第1回配本『移動と漂流』が11月5日発売


集英社創業100周年を記念した中国現代文学アンソロジー
株式会社集英社は、創業100周年記念企画として、中国現代文学のアンソロジーシリーズ「中国現代文学ギャラリー」全5巻の刊行を始めました。第1回配本となる『中国現代文学ギャラリー 移動と漂流』は、11月5日(木)に発売されました。
シリーズには、主に1990年以降の約30年間に書かれた中短編の中から厳選した55篇を収録します。全5巻は『移動と漂流』『家族とくらし』『時間と記憶』『ジェンダーと多様な性』『風土と社会』の5つのテーマで構成されています。主流のリアリズム小説だけでなく、ミステリー、SF、ナンセンス小説まで、作品のジャンルは多岐にわたります。

ノーベル文学賞作家から「新東北文学」の旗手まで
収録作家は、ベテランから新鋭まで幅広い年代にわたり、いずれも実力と評価を兼ね備えた顔ぶれです。ノーベル文学賞を受賞した莫言をはじめ、ノーベル文学賞候補の閻連科・残雪・余華、フランス芸術文化勲章を受章した王安億・畢飛宇が名を連ねています。
さらに、「新東北文学」を牽引する班宇・鄭執・双雪濤、中国最大の読書サイトで国内フィクション部門年間1位となった『雪の如く山の如く』(集英社刊)の張天翼、中国SF四天王の韓松、ヒューゴー賞を受賞したSF作家の郝景芳など、多彩な書き手の作品が並びます。

編集委員は飯塚容氏、濱田麻矢氏、綿矢りさ氏
編集委員を務めるのは、中国文学者の飯塚容氏と濱田麻矢氏、そして作家の綿矢りさ氏です。各巻には、綿矢氏による読書案内に加え、飯塚氏または濱田氏による詳細な解説も収められています。第1回配本では特別に、中国近代文学の父とも呼ばれる魯迅の「孔乙己」(1919年)もセレクトに加えられ、綿矢氏の訳で収録されています。
飯塚氏は1954年北海道生まれの翻訳家で、中央大学名誉教授。余華『活きる』、高行健『霊山』などの訳書があり、2011年には第五回中華図書特殊貢献賞を日本人で初めて受賞しています。濱田氏は1969年兵庫県生まれで、神戸大学人文学研究科教授。中国語圏の現代文学を専門とし、なかでも性別表象に関心を持っています。綿矢氏は1984年京都府生まれの芥川賞作家で、自身の北京滞在経験をもとにした小説『パッキパキ北京』を刊行しており、北京や上海で日本文学について講演を行うなど、現地の人々と交流しています。

全5巻のラインナップ
第1回配本『中国現代文学ギャラリー 移動と漂流』の書誌情報
- 著者:閻連科ほか
- 訳者:飯塚容ほか
- カバーアート:LILY NIGHT
- ブックデザイン:川名潤
- 定価:3,300円(10%税込)
- 発売日:2026年11月5日(木)
- 判型:四六判ハードカバー
- ページ数:400
- ISBN:978-4-08-157022-5
収録作品は、班宇「さすらい」、文珍「夜汽車」、鉄凝「小鄭」、朱山坡「従妹の隣に眠る男」、林那北「五鳳派出所はこの先にあり」、閻連科「忘れられた片腕」、徐則臣「モロッコ王子」、蒋一談「酒楼にて」、鍾求是「ワシリー」、残雪「最後の別れ」、王侃瑜「冬の庭園」、魯迅「孔乙己」です。
第2回配本以降の収録作品
- 『中国現代文学ギャラリー 家族とくらし』(2026年12月4日発売予定):畢飛宇「家族ごっこ」、陶麗群「母の島」、梁鴻「ロスト」、黄咏梅「おともだち」、郝景芳「二〇五〇年推し活事件」、裘山山「愛を求めて」、王彪「語り尽くせないこと」、張恵雯「雪は南部からやってくる」、双雪濤「わが友アンドレ」、莫言「お祖母さんの前歯」、黄蓓佳「プーリ再訪」、潘向黎「蘭亭恵」
- 『中国現代文学ギャラリー 時間と記憶』(2027年1月7日発売予定):李鋭「伝説の死」、金仁順「小野先生」、楊顕恵「父」、韓少功「最高指導者の死」、史鉄生「二つの物語」、宋明煒「初雪」、朱文「食指――ひそやかな詩の旅」、蘇童「やけど」、余華「小心者」、范小青「顔認証」、韓松「わが祖国は夢を見ない」
- 『中国現代文学ギャラリー ジェンダーと多様な性』(2027年2月5日発売予定):張天翼「珠玉の提言」、王小波「水のように柔らかく」、顧適「『2181序曲』再版に寄せて」、孫頻「柳僧」、鄭執「霹靂」、胡遷「ひとすじの煙」、魯敏「鏡の中の姉妹たち」、王安憶「ブラザーズ」
- 『中国現代文学ギャラリー 風土と社会』(2027年3月5日発売予定):楊知寒「藍橋飯店」、遅子建「老夫婦と愛馬」、張抗抗「何を以てか憂いを解かん」、馮驥才「市井の人々」、賈平凹「ハンター」、労馬「消えない噂」、陳応松「馬嘶嶺の殺人」、王占黒「空砲花火」、葛亮「不発弾処理」、阿来「少年詩篇」、ツェリン・ノルブ「老人と羊」、索南才譲「ある牛との晩餐」
シリーズの公式サイトでは、全作品のあらすじを掲載したパンフレットのPDF版(16ページ)をダウンロードできます。
出典:株式会社集英社


