角田光代『方舟を燃やす』が新潮文庫に 第59回吉川英治文学賞受賞の長編

角田光代さんの長編小説『方舟を燃やす』が、2026年10月28日に新潮文庫から発売されました。第59回吉川英治文学賞を受賞した作品で、選考では宮部みゆき氏をはじめとする選考委員から「これこそが小説!」と高く評価されています。
新潮社はこの作品を、不確かな時代に信じることの意味を問いかける長編小説として紹介しています。
信じたい現実を信じて生きる人々の物語
飛馬は幼いころに母親を亡くし、その原因が自分にあると思い込んだまま大人になります。一方、不三子は家庭の幸福を願って自然食にのめり込みますが、家族の心は次第に離れていきます。
何が正しいのかわからなくても、ただ生きるために、私たちは信じたい現実を信じる。それでも、自分たちが間違っていたとは思えない。物語はこうした思いを抱える人々の姿を、震災、テロ、パンデミックといった出来事を背景に描きます。
著者・角田光代さんの歩み
角田光代(かくた・みつよ)さんは1967年、神奈川県生まれです。90年に「幸福な遊戯」で海燕新人文学賞を受賞してデビューしました。その後、96年に『まどろむ夜のUFO』で野間文芸新人賞、2003年に『空中庭園』で婦人公論文芸賞、05年に『対岸の彼女』で直木賞を受賞しています。
さらに、06年に「ロック母」で川端康成文学賞、07年に『八日目の蝉』で中央公論文芸賞、11年に『ツリーハウス』で伊藤整文学賞を受賞しました。12年には『紙の月』で柴田錬三郎賞、『かなたの子』で泉鏡花文学賞を、14年には『私のなかの彼女』で河合隼雄物語賞を受けています。
21年には『源氏物語』(全3巻)の訳で読売文学賞(研究・翻訳賞)を受賞し、25年に本作『方舟を燃やす』で吉川英治文学賞を受賞しました。著書には『キッドナップ・ツアー』『くまちゃん』『笹の舟で海をわたる』『坂の途中の家』『タラント』などのほか、エッセイも多数あります。
書籍情報
- タイトル:方舟を燃やす
- 著者名:角田光代
- 発売日:2026年10月28日
- 造本:文庫版
- 定価:1,045円(税込)
- ISBN:978-4-10-105840-5
- 発行:新潮社(新潮文庫)
出典:株式会社新潮社


