LiLiCoさんが翻訳、抗がん剤治療を子どもに伝える絵本『ボフボフの げんきへの みち』日本語版が誕生

スウェーデン生まれの絵本が、日本の小児がんの子どもたちに届けられようとしています。一般社団法人 Empower Childrenは、絵本『ボフボフの げんきへの みち ― おくすりの ちりょう ―』の日本語版制作で、翻訳の取り組みを支援しました。小児がんの子どもたちが自分の治療について理解するための、情報支援の一環です。
この絵本は、抗がん剤治療(化学療法)を受ける幼い子どもたちに向けたものです。治療の流れや治療に使う医療器具を、絵と物語で分かりやすく伝えます。治療や検査に向けた心の準備を支える取り組みである「プレパレーション」のために作られています。

スウェーデンの絵本を、LiLiCoさんが日本語に
原作は、スウェーデンの小児がん支援団体Barncancerfonden(Swedish Childhood Cancer Fund)が発行する、Camilla Binz氏の絵本『Vova får cytostatika』です。がん治療を受ける幼児に、抗がん剤治療がどのように行われるのかを分かりやすく伝える目的で制作されました。日本語版では、スウェーデン出身のLiLiCoさんが翻訳を担当し、国立成育医療研究センター小児がんセンター長の松本公一先生が総合監修を務めています。
翻訳にあたっては、医師やチャイルド・ライフ・スペシャリスト(CLS)など、子どもの支援に携わる専門職と内容を確認しながら、日本の医療環境に合わせて丁寧に調整しました。治療に向き合う子どもたちが安心して読み進められるよう、子どもたちに寄り添う言葉選びが大切にされています。
LiLiCoさんは「故郷スウェーデンで生まれた絵本を、日本の子どもたちへ届けるお手伝いができたことをうれしく思います。翻訳では、子どもたちが読みやすく、物語の温かさが伝わる言葉を大切にしました。この絵本が、治療についてご家族や医療に関わる皆さんと話すきっかけになればうれしいです。」とコメントしています。

主人公「ボフボフ」が治療の不安に寄り添う
医療現場では、子どもが年齢や発達段階に応じて治療や検査を理解し、心の準備ができるよう支援するプレパレーションが行われています。ただ、特に年齢の小さい子ども向けに抗がん剤治療を分かりやすく説明する絵本は、多くありません。本書は、小児がんの子どもたちが治療への不安を少しでも軽減し、安心して治療に取り組めるようにという思いから制作されました。
物語では、主人公のキャラクター「ボフボフ」を通して、抗がん剤治療で使う点滴や細いチューブなどの医療器具、治療中の過ごし方を、幼い子どもにも理解しやすい言葉と親しみやすい絵で描いています。医療従事者が治療を説明する際のプレパレーションツールとして、また家庭で親子が治療について話し合うきっかけとしても、活用が期待されています。
監修の松本公一先生は「本書は、抗がん剤治療や治療中の過ごし方を、絵と物語を通じて、日本の子どもたちに伝えるために制作しました。カミラさんとLiLiCoさんによって生み出された色とタッチは、優しく、スウェーデンの風を感じるものとなっています。医療現場でのプレパレーションや、ご家庭での親子の対話などに活用していただければと思います。」と語っています。

全国の小児がん診療施設等へ配布予定、シリーズ化も検討
本書は小児がん中央機関機能強化事業の一環として制作されたもので、2026年9月より国立成育医療研究センターから、全国の小児がん診療施設等へ順次配布される予定です。
国立成育医療研究センターでは、子どもたちが病気や治療を理解するための情報を届ける取り組みとして、今後も関連するテーマを扱う絵本の日本語化を検討しています。子どもが病気や治療について知るための情報を社会にひらき、医療者と家族、支援者が共通の言葉で子どもに寄り添える環境づくりにつなげることも、このシリーズが目指す意義の一つとされています。Empower Childrenも、子どもたちとご家族に必要な情報が届くよう、関係機関と連携しながら支援を続けていくとしています。
Empower Childrenは「エンタテインメントは、子どもたちの『生きる力』をつくる。」をテーマに、小児がんと向き合う子どもたちとその家族を支援している団体です。主な活動は次のとおりです。
- 小児がん治療支援チャリティーイベント「LIVE EMPOWER CHILDREN」
- アーティストによる病院訪問
- 子どもたちやご家族を力づける活動
- 小児がん治療・研究への支援
- 小児がんへの社会的理解を高めるための啓発・PR活動


