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朝鮮の王朝外交を“ややこしさ”から読み解く集英社新書が「アジア・ブックアワード 2026」最優秀図書賞(人文科学・学術部門)を受賞

朝鮮の王朝外交を“ややこしさ”から読み解く集英社新書が「アジア・ブックアワード 2026」最優秀図書賞(人文科学・学術部門)を受賞
朝鮮の王朝外交を“ややこしさ”から読み解く集英社新書が「アジア・ブックアワード 2026」最優秀図書賞(人文科学・学術部門)を受賞

アジア地域の出版社・学者・評論家が選考する賞で、集英社新書の一冊が受賞

集英社新書から刊行されている森平雅彦編『朝鮮の王朝外交 “ややこしさ”からの気づき』が、「アジア・ブックアワード 2026」で人文科学・学術部門の最優秀図書賞を受賞しました。株式会社集英社が発表しています。

「アジア・ブックアワード」(Asia Book Awards)は、韓国出版人会議が創設した賞です。アジア各国の出版人が手を取り合い、アジア地域の出版文化をより豊かにしていくことを目的に始まりました。部門は二つあり、現代社会の変化を鋭く捉える「一般書部門」と、アジアをテーマにした「人文科学・学術部門」で構成されています。各部門で2作品、合計4作品が「年間最優秀図書」(Best Asian Books of the Year)として選ばれます。

選考を担うのは、韓国、日本、中国、香港、台湾などアジア地域の出版社、学者、評論家たちで構成された選考委員です。評価基準を満たし、各国の委員が推薦した図書の中から、最終選考会で受賞作が決定されます。本年は本書のほか3作品が「年間最優秀図書賞」に輝きました。

編者の森平雅彦氏は受賞に寄せたコメントの中で、「韓国の過去の王朝が外国から圧力、脅威をうけてきた歴史を学ぶことの学術的価値、現代的意義を捉え直そうという私たちの試みは、日本人をはじめ多くの現代人が何となく抱いている常識的感覚に一石を投じ、これを揺り動かそうとするものでした」と述べています。

(c)集英社
(c)集英社

7名の専門家が描く、朝鮮史研究のニュー・ウェーブ

大国と隣り合う朝鮮半島の王朝国家は、複雑で緊張をはらむ国際関係をどのように生き抜いてきたのか。本書は、侵略の被害や大国への従属、事大主義といったイメージで語られがちな朝鮮史を、国際関係の視点から見つめ直す一冊です。中国・日本をはじめとする周辺諸国との緊張と交流、そしてそのはざまで繰り広げられた外交の駆け引きを読み解き、朝鮮の王朝国家が築いてきた躍動感あふれる国際関係の歴史を描き出しています。

全体は古代・高麗時代・朝鮮時代の三部構成。7名の専門家がそれぞれの時代の特徴や魅力を解説し、豊富な図版とともに専門的な研究の成果をわかりやすく紹介しています。朝鮮史への新たな入口として位置づけられた内容です。監修を務めた姜尚中さんは推薦文で、「深掘りされた専門的な研究の知見に満ち、それでいてまるで韓国時代劇ドラマを見るようなワクワク感のする本書に脱帽!」と評しています。

  • 第1部 古代:第1章 古代史の概観/第2章 二正面作戦を回避せよ!/第3章 拝借とオリジナルのあいだ/第4章 国内統合とディアスポラ
  • 第2部 高麗時代:第5章 高麗時代史の概観/第6章 地域限定の天子?/第7章「華風」好みのリアリスト/第8章 はじき出されず、呑み込まれず
  • 第3部 朝鮮時代:第9章 朝鮮時代史の概観/第10章 侯国外交のアポリア/第11章 忘れられた真実/第12章 外国商人は入るべからず

編者・執筆者のプロフィール

編者の森平雅彦(もりひら・まさひこ)氏は1972年生まれ。九州大学大学院人文科学研究院教授で、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学、博士(文学)。専攻は朝鮮中世・近世史、朝鮮半島の環境史です。著作に『モンゴル覇権下の高麗―帝国秩序と王国の対応』、『中近世の朝鮮半島と海域交流』(編著)、『日韓の交流と共生―多様性の過去・現在・未来』(共編著)などがあります。執筆者として名前が挙がっているのは以下の方々です。

  • 井上直樹:1972年生まれ。京都府立大学文学部教授。早稲田大学大学院博士後期課程研究指導認定退学。博士(文学)。専攻は朝鮮古代史。
  • 植田喜兵成智:1986年生まれ。早稲田大学文学学術院講師。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。専攻は朝鮮古代史。
  • 豊島悠果:1979年生まれ。神田外語大学外国語学部教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専攻は朝鮮中世史。
  • 木村拓:1976年生まれ。中央大学文学部教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専攻は朝鮮王朝外交史。
  • 鈴木開:1983年生まれ。明治大学文学部准教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得満期退学。博士(文学)。専攻は朝鮮近世史。
  • 辻大和:1982年生まれ。東京大学東洋文化研究所准教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専攻は東アジア史、朝鮮王朝史。

書籍情報

  • タイトル:『朝鮮の王朝外交 “ややこしさ”からの気づき』
  • 監修:姜尚中
  • 発売日:2026年1月17日(土)
  • 定価:1,166円(10%税込)
  • ページ数:336
  • 判型:新書判
  • ISBN:978-4-08-721397-3

刊行元の集英社新書は、“知の水先案内人”をキャッチフレーズに1999年12月に発刊されたレーベルです。大量に流れ込む情報の海を漕ぎ渡るための「知識に裏付けされた知恵」を提供する「真の意味での実用書」をコンセプトに掲げています。旬な人物やタイムリーな話題を掘り下げる一方、集英社ならではのエンターテインメント性と「知」を接続する企画にも挑戦し、幅広い世代が手に取りやすい新書を目指しています。

出典:株式会社集英社