フィジカルAIの「知覚器官」を一冊に シーエムシー・リサーチが次世代センシング技術の専門書を刊行

「生成AIの次は物理空間へ」。現実世界の物理法則を理解し、自律的に判断して環境に働きかける「フィジカルAI」を動かすための次世代センシング技術を扱った新刊『フィジカルAI時代の次世代センシング技術~材料・デバイスからAIアーキテクチャまでの全貌~』が、株式会社シーエムシー・リサーチから2026年10月16日に発行されました。英文タイトルは「Next-Generation Sensing Technologies in the Era of Physical AI」です。

生成AIの次に来る「物理空間のAI」とセンサー
同社の調査部は刊行にあたり、こう説明しています。大規模言語モデル(LLM)をはじめとする生成AIが爆発的に普及し、デジタル空間での知的処理能力は飛躍的に進化しました。一方で、AIが現実世界の物理法則を理解し、自律的に判断して環境に働きかけるフィジカルAIへ進化する過程では、現実空間とのインターフェースであるセンシング技術が技術的なボトルネックになっているといいます。
フィジカルAIは、外界を「見る」だけでは成り立ちません。自分の位置や姿勢をつかむ固有感覚と、対象物の温度・硬さ・摩擦・重量などを知覚する外部受容感覚を高度に統合し、実時間でAIモデルへ入力する次世代のデータパイプラインが欠かせないとしています。センサーは物理量を変換するだけの装置から、世界モデル(World Model)へ直結するインテリジェントな知覚器官へ変わりつつある、というのが同書の見立てです。
視覚から触覚、音、熱まで「五感を超える」領域を網羅
同書は、要求性能から材料開発、エッジAIとの統合までを体系的にまとめたレポートです。高解像度化が続く視覚センサーやLiDARに加え、これまで定量的な評価が難しかった触覚・力覚・音響・振動・熱といった「五感を超えるセンシング」に焦点を当てています。それらがマルチモーダル・センサーフュージョンを通じて、「意味」を持つSemantic Dataへどう変換されるのかも詳しく解説しています。
実用化に向けては、MEMS技術、圧電材料、柔軟・伸縮材料といった最新のマテリアルサイエンスの動向も取り上げています。さらに、In-pixel Processingに代表される、センサーとAIアクセラレータを統合するSmart Sensorアーキテクチャについても掘り下げています。
第Ⅰ編から第Ⅸ編までの構成
本書は以下の編で構成されています。
- 第Ⅰ編:フィジカルAIが変えるセンシング技術の開発要件
- 第Ⅱ編:フィジカルAIを構成する主要センシング技術(視覚、LiDAR・3D、触覚、力覚・トルク)
- 第Ⅲ編:「五感」を超えるフィジカルAIセンシング(音響・振動、温度・熱・環境、近接・距離・位置)
- 第Ⅳ編:センサーフュージョンとフィジカルAIアーキテクチャ
- 第Ⅴ編:次世代センサーを実用化する材料・デバイス・Edge AI技術
- 第Ⅵ編:用途別フィジカルAIセンシング技術(自動車・自動運転、産業ロボット・協働ロボット、AI Factory・スマート製造)
- 第Ⅶ編:主要国・地域におけるフィジカルAIセンシング産業政策・サプライチェーン分析
- 第Ⅷ編:主要企業の参入動向・アライアンス・エコシステム分析
- 第Ⅸ編:技術開発ロードマップとR&D意思決定戦略
技術解説にとどまらず、日米欧中などの産業政策とサプライチェーン、注目スタートアップからメガテックまでの動向をまとめた競合マップ、センサー・デバイスメーカーの「勝ち筋」も収録しています。2030~2035年の技術ロードマップとR&D意思決定戦略も扱っており、同社は次世代センサーやデバイス開発に取り組む研究者・技術者、R&D戦略の意思決定者に向けた一冊と位置づけています。
書籍データ
- タイトル:フィジカルAI時代の次世代センシング技術~材料・デバイスからAIアーキテクチャまでの全貌~
- 発行日:2026年10月16日
- 体裁:A4判・並製・219頁
- 定価:本体(冊子版)180,000円(税込 198,000円)
- セット価格(書籍+PDF版CD):本体+PDF版 240,000円(税込 264,000円)
- ISBN:978-4-911892-07-7
- 編集発行:(株)シーエムシー・リサーチ
シーエムシー・リサーチは東京都千代田区神田錦町に拠点を置き、先端技術情報や市場情報を提供しています。各種材料・化学品などの市場動向や技術動向をテーマに、セミナーの開催や書籍の発行を行っています。
出典:CMCリサーチ


